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PFFグランプリの工藤梨穂監督に直撃

若手女性監督に密着!

シネマトゥデイ×ぴあフィルムフェスティバル連動企画連載(第3回)

 今年のぴあフィルムフェスティバルで529本の応募作品の中からグランプリに輝いたのは、現在23歳の工藤梨穂監督の『オーファンズ・ブルース』でした。映画を作るために、大学に通いながらパン工場でバイトをして資金を貯めたという情熱家の工藤監督を直撃してきました!(取材・文:森田真帆)

高2で映画監督を目指し始める

工藤梨穂
  • 監督になりたい夢を持ったのは高2のとき
  • きっかけは、小説から!
  • その日のうちに親に「監督になりたい」発言!
  • 大学目指して、一気にアクセル全開! 京都造形芸術大学に合格!!

西加奈子さんの小説「さくら」を徹夜して読んだんですけど、感動し過ぎて自分で消化できなくて。この感動を誰かと同じ時間と空間で共有できたらいいなって思って、そこで映画という表現方法を思いついたことがきっかけです。いつか「さくら」を映画化したいと思っています。

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資金集めのために、深夜のパン工場でバイト!

工藤梨穂
  • 初の長編作品でまさかの7都道府県ロケ!
  • スタッフ&演者の交通費が大変なことに!
  • 監督自ら深夜のパン工場でバイト!

お金集めは苦労しました。7都道府県でロケをしたので、スタッフと役者さんの交通費や宿泊代もかかって、学校からいただける予算ではとても間に合わなくて。パン工場で深夜バイトをして、ベルトコンベアーに流れてくるパンをこねていました。そうやって自分で稼いだお金と、組のメンバーから少しずつカンパしてもらったお金で実現しました。助けてくれた人たちには、一生頭が上がらないです!

役者の実家を借りてロケ!

工藤梨穂
  • 低予算だからこそロ知ケ探しも大変!
  • ペンションのシーンは、ペンションが高過ぎて借りられない事件発生
  • 役者の実家を借りて撮影することに!
  • お母さんに「これから暴れます」宣言

映画の中でメインの舞台になるペンションが登場するんですが、実際にペンションを一週間借りようと思うと高過ぎて見つからなくて。最終的に、役者の実家をお借りして撮影することになりました。でもご実家なのでご家族が普通に生活している中で撮影しなければいけなかったので相当迷惑を掛けたと思います。役者が部屋の中で大暴れするシーンもあったのですが、お母様に「お母さんすみません! これから暴れます」とお願いして撮影しました。

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スタッフの優しさに感謝!

工藤梨穂
  • 学生だからこそ実現した1か月の濃密な撮影時間
  • 朝日のシーンを撮影するため、連日朝3時起きも!
  • スタッフの一言に感謝

自分が思っていた以上の撮影になりました。それは、役者、スタッフ全員に言えることで、役者が本当に素晴らしい演技を見せてくれたのはもちろんなんですが、何よりもみんなが助けてくれたことが成功した理由だと思います。例えば、終わりの時間が迫って私が焦っていたときもスタッフが横に来て「ちゃんと自分の撮りたい映画を撮りなね」って言ってくれて。たとえ深夜になって大変なときも誰も文句を言わずにポジティブにいてくれていたので、本当に感謝しかないです。

工藤監督は今何しているの?

工藤梨穂
  • 大学卒業後に上京!
  • ラッシュアワーに衝撃を受ける
  • ドラマの撮影現場で助監督の仕事も経験
  • 濱口竜介監督の撮影現場で働いてみたい!

つい先日まで連続ドラマの撮影現場でサード助監督の仕事をしていました。撮影をしながら準備をしなければいけないのは、映画の製作現場と違って大変でしたね。もちろん自分の作品を作りたい! というのも一番の目標ですが、『寝ても覚めても』の濱口竜介監督の作品がすごく好きなので、濱口監督の下で演出などの勉強をさせてもらえたらうれしいです。

『オーファンズ・ブルース』作品紹介

『オーファンズ・ブルース』場面写真

日々、記憶が欠落しはじめているエマは、ある日行方不明になっている幼なじみのヤンを捜す旅に出る。道中で、バンやヤンとかかわりのある者たちに出会っていくが……。大切な思い出が消えてしまう前に彼女は、ヤンと再会できるのか……。

ぴあフィルムフェスティバル

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