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映画で決めよう!GWに行きたいところ(グルメの旅海外編)

映画でグルメツアーをしちゃおう!
映画でグルメツアーをしちゃおう! - JoeGough / Getty Images

 映画で観て憧れていた食べ物を、実際に食べることができたときの感動は格別。そこで、それを食べに旅に出たくなるほどおいしそうな料理が出てくる映画をピックアップしてみた。観終わった後はきっと、真剣に旅行プランを立てたくなるだろう。(文:桑原恵美子)

人生を変える「魔法のスパイス」を探しにインドへ!

マダム・マロリーと魔法のスパイス』(2014)

 暴動を逃れ、南フランスに移住してきたインド人シェフ一家。名料理人の母から“絶対味覚”を受け継いだインド料理の天才・ハッサン(マニシュ・ダヤル)は、見事に店を繁盛させる。だが、その向かいには高慢なマダム(ヘレン・ミレン)が経営する上品な星付きのフレンチレストランがあり、2店は営業方針をめぐって犬猿の仲に。インド料理を徹底的に軽蔑していた誇り高いマダムだが、ハッサンの料理をひと口味わったときから大きな変化が……。

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 人生の荒波を渡り終えた後に訪れるシニアならではの恋愛の醍醐味もさることながら、目が釘付けになるのが、ハッサンが作るインド料理のセクシーなまでのシズル感。インド料理店の猥雑(わいざつ)で生命力にあふれた美しさ、フランス料理店の端正な美しさ、その対照も面白い。笑えて、泣けて、最後に猛烈にインド料理が食べたくなる。この映画に出てくる、人生を変えるほど美味な魔法のスパイスを探しに、インドに旅立ちたくなるかもしれない。

恋のように熱々の「キノコ入り蒸し餃子」を食べに中国へ!

マダム・マロリーと魔法のスパイス
『マダム・マロリーと魔法のスパイス』より -(C)Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

初恋のきた道』(1999)

 都会からやってきた若い教師ルオ・チャンユー(チョン・ハオ)に恋した18歳の少女チャオ・ディ(チャン・ツィイー)。読み書きのできないディは手作りの弁当で、その思いを伝えようとするが、2人の前にはさまざまな障害が立ちはだかる。やっと思いが通じ合えたとき、文化大革命が起こり、先生は村を去ろうとする。別れの日、先生の大好物のキノコ入り蒸し餃子を作るディ。貧しい家の貴重な食器であるどんぶりに入れ、風呂敷に包んで必死に先生を追いかけるが、観ている人の予感どおり転んでどんぶりは割れ、蒸し餃子も地面に散ってしまう。立ち上がることもできず号泣するディの姿に、こちらの胸も張り裂けそうになる。

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 高級な食材は一切使っていないのに、なぜかすごくおいしそうに見える、キノコ入り蒸し餃子。焼き餃子でもなく、水餃子でもなく、どうしてもあの蒸し餃子が食べたい! と思ってしまうのは、蒸し鍋からもうもうと上る湯気が、あふれて止まらないディの恋心と重なるからかもしれない。

自分を変える勇気をくれる「フライド・グリーン・トマト」を食べにアメリカ南部へ!

フライド・グリーン・トマト』(1991)

 倦怠期を迎えた夫に無視され続け、くすぶっていた主婦エヴリン(キャシー・ベイツ)は、ボランティアで知り合った老婦人(ジェシカ・タンディ)の身の上話に強烈に引き込まれていく。それは閉鎖的で偏見が強かった1930年代のアメリカ南部の田舎町で、虐げられた黒人のためのカフェを開いた勇気ある白人女性たちの物語だった。彼女たちの波瀾万丈の人生を知ることで、無気力だったエヴリン自身も大きく変わっていく……。

 横暴な男たちに傷つけられながらも助け合い、カフェを成功させていく女性たちの姿も感動的だが、そこで出される料理がまた本当においしそう。タイトルになっている“フライド・グリーン・トマト”はカフェの名物料理で、青いトマトをスライスし、衣をつけてフライパンで揚げたもの。映画に出てくるアメリカ料理の中でも、この料理は日本ではなかなか見かけず、味の想像がつかないだけに、気になっている人も多いのでは。ただし、この映画を観た後は、しばらくバーベキューが食べられなくなるかもしれないのでご注意を。

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とびっきりの笑顔になれる屋台メニュー「パークモー」を求めてタイへ!

キャシー・ベイツ
キャシー・ベイツの演技は見事! - Todd Williamson / Getty Images

アタック・ナンバー・ハーフ』(2000)

 オネエとおなべで構成されたタイのバレーボールチームが、偏見に負けずに大活躍して国体を目指した実話を基にしたコメディー。新任監督が実力で選んだメンバーが2人ともオネエだったために、反発した選手たちが練習をボイコット。仕方なくバレーのできる友人を誘った結果、ほぼオネエという異色チームが誕生する。爆笑あり、涙ありで、最後は元気をもらえ、「差別って本当にカッコ悪い」と理屈抜きで思わせてくれる映画だ。

 タイの伝統料理というわりには日本のタイ料理店でもあまり見かけず、ずっと気になっているのが、映画冒頭の屋台シーンで売っていた「パークモー」。どんなものか調べると、ライスペーパーで具を包んだ料理のことで、タイではいろいろなタイプのパークモーが屋台や飲食店で売られている。そしてこの映画に登場するのは、どうやらナッツ風味の餡(あん)を包んで蒸したスイーツらしい。「らしい」というだけで正体は不明だが、でもパークモーを売っていたオネエのジュンちゃんの底抜けの明るさと満面の笑みを思い出すたび、「まちがいなくおいしいに違いない」「いつか食べたい」という思いが膨らむ。

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“自由の味”がする「キューバサンドイッチ」を食べにテキサスへ!

シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014)

 主人公は、ロサンゼルスにある一流レストランの総料理長カール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)。自由な料理を認めないオーナー(ダスティン・ホフマン)と衝突し店を辞めて訪れたマイアミで、最高においしいキューバサンドイッチと出会い、ボロボロのフードトラックを自分で改造。息子(エムジェイ・アンソニー)たちとサンドイッチの移動販売を始める。

 キューバサンドイッチとは具だくさんのプレスサンドだが、映画ではバターをたっぷり塗ったパンをフライパンでこんがり焼き、ハムやソーセージ、チーズなどを重ねていく様子をなめるように接写する。行く先々で名産を取り入れた“ご当地”キューバサンドを創造していくカールは、三ツ星レストランで決まりきった料理を作り続けていたときよりはるかにキラキラ輝いていて、楽しそうだ。極めつけは、テキサス風BBQキューバサンドイッチ!

シェフ 三ツ星フードトラック始めました
映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』より - (C)Open Road Films (II) / Photofest / ゲッティ イメージズ

 一晩かけてじっくり燻(いぶ)した大きな肉塊をスライスする、独特のスタイルのBBQが本当においしそう。映画に登場するのはテキサス州オースティンに実在する店「フランクリン・バーベキュー」。この映画の公開以降、ますます人気が高まっているというのも納得のふるいつきたくなるようなビジュアルだ。

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