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『カメラを止めるな!』監督が語る映画作りの秘訣は楽しむこと!

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映画作りを心から楽しんでいる、上田慎一郎監督
映画作りを心から楽しんでいる、上田慎一郎監督

 今年の6月、都内2館からスタートした『カメ止め』こと映画『カメラを止めるな!』は週を重ねるごとに口コミが広がり、8月には200館にまで上映拡大が決定。興行成績ランキングトップテン入りも果たし、最近では日本アカデミー賞の選考対象作品に認定もされた。日本映画史に残るスマッシュヒットとなったインディペンデント映画を生み出した上田慎一郎監督が、作品への思いを語った。

『カメラを止めるな!』予告編

 映画学校の生徒たちと上田監督が手を組んで作ったインディペンデント映画が、ここまでの大ヒットを記録するとは一体誰が予想しただろうか。日本アカデミー賞選考対象作品の認定にも本人はいたってマイペース。認定への感想を聞くと、「本当にカッコつけているわけじゃないんです」と前置きした後に、「賞をいただくことはもちろん嬉しいのですが、それよりも、憧れていたライムスター宇多丸さんの番組に呼んでいただき、思春期の頃に影響を受けていた人から面白かった! って伝えてもらったときはもっとテンションが上がったんでよね」と笑顔を浮かべた。

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 これだけの成功を収めたのだから、少しくらい浮き足立ってしまうのが人というものだが、上田監督はまるでその逆の印象だ。「一番怖いのは、この映画をきっかけに守りに入っちゃうことです。成功を守るようになったらヤバいと思っているので。昔、ホームレスだった頃があるんですが、最悪、またホームレスに戻ってもまた這い上がれる気持ちはあるから、守りに入らずに、これからどんどん自分のやりたい映画を作っていきたいですね」

 これまで作ってきた映画は8本。監督いわく、どれも右往左往しながら作ってきたという。それを打破して作ったのが、カメ止めだった。「映画祭に入るような映画だったらこうかな、とか、つい、映画を作るときにいろいろと考えながら作っていたんです。ちょっと背伸びしながら作った。お客さんを楽しませようということすら考えず、メッセージやテーマも考えず、カメ止めはただただ自分が楽しいこと、好きなこと、ワクワクすることだけを考えて作ったんです」

 「これまでの人生を振り返っても、僕はいつも楽しくて。苦労を感じたことは一度もないんです。妻と子供と3人で暮らして、残り8,000円しか生活費がない時もあるけれど、それが辛いって思ったことはなくて。映画作りも、いつも心から楽しんでいます」。上田監督の口から、苦労話は一つも出てこない。人生を楽しみ、映画作りを楽しむ彼が作った映画だからこそ、今劇場は笑顔でいっぱいになっているのかもしれない。

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 カメ止めの人気はとどまることを知らず、今日も劇場内が、笑い声でいっぱいになっているが、笑い声が響く劇場の中で一人で声をあげて泣いていた人がいるという。「母親から聞いたんですが、今まで一度も僕の映画を見なかった父が、初めてカメ止めを見に行ってくれたらしくて。みんなが大笑いする中で、嗚咽しながら泣いていたそうです。あとで理由を聞いたら、僕がようやく自立して、自分たちが面倒を見てあげることがなくなると思って泣いていたそうです」。つい最近まで、生活が苦しいときにお金を借りたり、いろいろお世話になったという父からの卒業。「またお世話になるかもしれませんけどね」と上田監督は笑った。人生も、今の大成功の状況も、映画作りも全てを楽しんでいる。最高にピュアな上田監督は、これからの監督人生で、もっともっと観客にワクワクを与えてくれることになりそうだ。

映画『カメラを止めるな!』予告編 » 動画の詳細
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