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役所広司主演『孤狼の血』などイタリアの映画祭で上映

柚月裕子のベストセラー長編小説を白石和彌監督が実写映画化した『孤狼の血』
柚月裕子のベストセラー長編小説を白石和彌監督が実写映画化した『孤狼の血』 - (C) 2018「孤狼の血」製作委員会

 北イタリアで4月20日~28日(現地時間)に開催される第20回ウディネ・ファーイースト映画祭のラインナップが現地時間11日に発表された。オープニング作品として北朝鮮で軍事クーデターが起こったら……を描いた韓国の衝撃作『鋼鉄の雨』(ヤン・ウソク監督)を上映するほか、日本からは役所広司×白石和彌監督のアウトロー映画『孤狼の血』(5月12日公開)と、デヴィッド・ボウイ忌野清志郎らを撮影した写真家・鋤田正義の軌跡をたどるドキュメンタリー映画『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』(5月19日公開)がワールドプレミア上映される。

Netflix映画『鋼鉄の雨』より
Netflix映画『鋼鉄の雨』より - photo by FarEastFilmFestival

 同映画祭はイタリアであまり上映される機会のない東アジアと東南アジアの新作と旧作を上映し、賞は観客の人気投票によって決まるというのが特徴だ。毎年、豪華ゲストを招聘(しょうへい)し、過去にはアジアを代表するアクションスターのジャッキー・チェンサモ・ハン・キンポー、日本からも亀梨和也斎藤工松田龍平らが参加。さらに音楽家・久石譲がスペシャルコンサートを開いたこともある。そうして年々国内外での認知度を高める努力をし、遂に節目の年を迎えることとなった。

SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬
映画『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』より - (C) 2018「SUKITA」パートナーズ

 上映作品は各国の大衆に支持されている娯楽映画が中心だが、今年はNetflixオリジナル作品ですでに全世界で配信されている『鋼鉄の雨』をあえてオープニングに選び、大スクリーンで上映するのをはじめ、挑戦的かつ刺激的な計81作品が揃った。その筆頭が香港映画『中英街一号』で、先頃行われた第13回大阪アジアン映画祭でグランプリを獲得するも、常に中国の圧力を受けてきた香港史を描いた内容とあって、香港公開がいまだ決まっていない問題作だ。『孤狼の血』も日本ではR-15指定で公開される が、過激な暴力シーンが多いことから、海外映画祭では敬遠されルことが多かったようだ。

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 さらに同映画祭では2002年と2010年にピンク映画の特集を行なっているが、今年も向井寛監督『ブルーフィルムの女』(1969)と渡辺護監督『おんな地獄唄 尺八弁天』(1970)を上映。配給の国映は現在、ドイツの映画会社ラピッド・アイ・ムービーズなどとピンク映画の4Kデジタル化プロジェクトを推進しており、今回は修復版の世界初披露となる。

 同様に同映画祭も修復プロジェクトを積極的に行なっており、昨年はフルーツ・チャン監督『メイド・イン・ホンコン/香港製造』(1997)をボローニャのフィルム修復・保存ラボ「イマジネ・リトロヴァータ」と共同で4Kレストア・デジタルリマスター版を発表して大きな話題を呼んだ。今年は香港のジョニー・トー監督が黒澤明製作・脚本の『姿三四郎』(1943)にオマージュを捧げた、柔道アクション映画『柔道龍虎房』(2004)をよみがえらせた。

 また期間中には市内各所でコスプレ大会をはじめとするカルチャーイベントが多数開催。今年は世界中で沸き起こっているラーメンブームに呼応するように、新横浜ラーメン博物館にも期間限定で出店したこともあるミラノの人気ラーメン店カーザルカのルカ・カタルファモのクッキングショーのほか、伊丹十三監督『タンポポ』(1995)とドキュメンタリー映画『ラーメンヘッズ』も上映される。視覚をのみならず五感フルに使って、イタリアと極東文化の交流を満喫できる9日間となりそうだ。(取材・文:中山治美)

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日本からの参加作品は以下の通り。

【コンペティション(観客賞の対象作品)】
瀬々敬久監督『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)
白石和彌監督『孤狼の血』(2018)
佐藤信介監督『いぬやしき』(2018)
沖田修一監督『モリのいる場所』(2018)
戸田彬弘監督『名前』(2018)
上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』(2018)
吉田大八監督『羊の木』(2018)
廣木隆一監督『彼女の人生は間違いじゃない』(2017)
大九明子監督『勝手にふるえてろ』(2017)
黒沢清監督『予兆 散歩する侵略者 劇場版』(2017)

【招待作品】
〈ドキュメンタリー〉
重乃康紀監督『ラーメンヘッズ』(2017)
スティーブン・ノムラ・シブル監督『Ryuichi Sakamoto: CODA』(2017)
スティーブン・ノムラ・シブル監督『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async』(2017)
相原裕美監督『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』(2018)

〈リストアード・クラシック〉
向井寛監督『ブルーフィルムの女』(1969)
渡辺護監督『おんな地獄唄 尺八弁天』(1970)
伊丹十三監督『タンポポ』(1985)

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