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実際に起きた事件の犯人と俳優が共演する異色作、「着想は犯人らの正直な言葉」監督が語る

左から、ウォーレン・リプカ、エヴァン・ピーターズ、スペンサー・レインハード、バリー・キオガン、バート・レイトン監督
左から、ウォーレン・リプカ、エヴァン・ピーターズ、スペンサー・レインハード、バリー・キオガン、バート・レイトン監督

 今年のサンダンス映画祭で話題になった映画『アメリカン・アニマルズ(原題) / American Animals』について、俳優のエヴァン・ピーターズバリー・キオガン、実在の元犯罪者ウォーレン・リプカスペンサー・レインハード、そしてバート・レイトン監督が、5月29日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【写真】全然違う!「アメホラ」最新作でのエヴァン・ピーターズ

 本作は、実際に起きた事件を映画化し、事件の当事者(元犯罪者)を俳優と共に出演させた異色作。ケンタッキー州のトランシルバニア大学に通うスペンサー(バリー)とウォーレン(エヴァン)は、ある日、図書館から歴史ある高価なアート本を盗むことを思いつき、同学年の仲間に加えて入念に計画を立てる。だが、実行中にとんでもない出来事が起こり、大きな事件へと発展していく。映画『ジ・インポスター(原題)/ The Imposter』のレイトン監督がメガホンを取った。

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 本作は、元犯罪者のインタビューと俳優が演じる犯罪の実行シーンを分割して同時に映したり、元犯罪者と俳優が同時に同じ場面に登場したりするなど、俳優と実在の犯罪者を共に描いている。その革新的な構想についてレイトン監督は、「僕自身も100%その手法が、映画としてちゃんと成り立つかわからなかったけれど、製作資金の提供者に『映画として成り立つか?』と聞かれる度に『成り立つ』と説得してきたよ。何か新しいことを映画でやろうとしたら、それが必ずしも成功する保証はないんだ。確かに脚本では素晴らしくても、編集するまではわからないからね」と語る。実際に起きた異常ともいえる出来事に、当事者(実際の犯罪者)の話を聞いてみたところ、彼らの言葉があまりに正直だったため、彼らを含めて描くことを考えついたそうだ。

 ウォーレンを演じたエヴァンは、ウォーレン本人とセットで時間を共有したことについて、「とてもクールなことだったよ。共に過ごしたことで、彼のエネルギー、元気の良さ、おもしろさなどに気付かされたね」と語る。一方ウォーレンは、「あるシーンを撮っていたとき、電話が鳴って、僕はみんなから、僕の携帯じゃないかと疑われたんだ。撮影現場の経験の無さや、犯罪歴のある僕だから疑われたんだけど、その電話は僕じゃなかったんだよ(笑)」と笑いを誘い、現場の雰囲気の良さをうかがわせるエピソードを明かした。

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 レイトン監督の作品『ジ・インポスター(原題)』を何度も観たというバリーは、「僕は監督とTwitterを通してつながったんだ。彼の脚本をすごく気に入って、オーディション用のテープを何本か送ったくらいだ」とかねてからファンだったことを明かす。撮影前のリハーサルの時期には、事件を起こす仲間となる学生役の俳優4人で同じ家に暮らしたりもしたそうだ。

 そんなバリーが演じたスペンサーとスペンサー自身は、交錯する感動的なシーンがある。監督によると、先にスペンサーのシーンを撮影し、その1年後にバリーのシーンを撮りつなぎ合わせたそうだが、その撮影についてスペンサーは「(撮影前に)レイトン監督に過去の話(犯罪計画や4人の関係)を再び説明したんだ。実際に、自分が過去を振り返っているシーンに参加できたのは、とても幻想的な出来事だったよ」と振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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