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大河で演技初挑戦の菅原小春、人見絹枝に共鳴「コンプレックスを強みに」

日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝を演じる菅原小春
日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝を演じる菅原小春 - (C)NHK

 現在放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合・日曜20時~ほか)。7月7日に放送される第26回「明日なき暴走」では、昭和3年(1928年)に行われたアムステルダム五輪に、日本人女性初となるオリンピック選手として出場した人見絹枝の挑戦が描かれる。その人見を演じたのが、ダンサーとして世界的に活躍する菅原小春だ。本作が演技初挑戦となった菅原だが、自身の人生と大きく重なる部分が人見にあったという。

【動画】第26回見どころスペシャル動画

 菅原演じた人見は、当時の女性としては並外れた体躯を持ち、持ち前の努力家である性格もプラスし、テニスや陸上で好成績を残した女子スポーツの先駆者的存在。しかし、結果を出すたびに周囲からは「バケモノ」などと揶揄され、体格にコンプレックスを持っていた。

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 菅原自身も同じような経験をしており、人見に感情移入する部分が多かったという。「わたしもダンスをやっているのですが、身長があるためバックダンサーのときには『目立ちすぎるので下がって踊るように』『もっとエナジーを抑えて』などと言われたことがあり、骨格や体形に対してコンプレックスを持っていた時期がありました」

いだてん
人見(菅原)と、人見を見いだす二階堂体操塾の創設者・トクヨ(寺島しのぶ)

 そんななか、人見はシマ(杉咲花)や、二階堂体操塾(現・日本女子体育大学)を創設した二階堂トクヨ(寺島しのぶ)に見いだされ、日本人女性初のオリンピック選手として、アムステルダム五輪で海外に渡った。そこで自分がコンプレックスに感じていたことが、大きな武器になることを知る。菅原も高校卒業後ロサンゼルスに渡り、ダンサーとしての道を歩み始めてから「コンプレックスを強みに変えることができたんです」と笑顔で語る。

 初めての演技。大きな不安もあっただろうが、菅原は挑んだ理由をこう語る。「今の時代、絹枝さんのように自らの体を張って、何かを伝えようという熱い魂を持った女性って少ないと思ったんです。そんな絹枝さんの魂を、わたしの体を通して、今の子たち(若い人たち)に伝えたいと思ったので不安はありましたが、お芝居に挑戦しました」

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 役作りに対しても菅原らしいアプローチ方法だ。人見絹枝が実際に競技をしている映像を見て、それ以上絹枝についての文献や資料を読むことはなかったという。「誰かが書いたものを自分の情報にしたくなかった。ただ彼女から感じたものだけで演じたかったんです」

 また、撮影後に人見の実家である岡山を訪れた菅原は、人見が好きだった写真とそれにまつわる日記のようなもの、さらにバッグやメダルなどを見せてもらった。そのとき「ただ足が速かった人ではない。熱い魂を持ちながらも、すごくチャーミングな女性」と感じたという。

 劇中で菅原が演じた絹枝からは、まさに“魂の叫び”と言えるほどの“熱”が伝わってくる。「わたし自身のダンスも、決してテクニックがある方ではなく、魂先行だと思っています。当時はトレーナーなどもいない時代で、絹枝さんもきっと魂で競技を行っている人だったと思う。人間の体を剥いていけば、心臓だけが残る。最終的には魂なんですよね」

 そんな菅原の言葉を胸に第26回を観ると、さらなる広がりがあるはずだ。(取材・文:磯部正和)

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