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『ゲット・アウト』に続くか!?話題の黒人監督、渾身のデビュー作を語る

ヒップホップグループでも活躍しているブーツ・ライリー監督
ヒップホップグループでも活躍しているブーツ・ライリー監督

 今年のアカデミー賞で脚本賞を受賞した映画『ゲット・アウト』に続き、サンダンス映画祭で話題になった黒人監督の新作『ソーリー・トゥ・ボザー・ユー(原題)/ Sorry to Bother You』について、ブーツ・ライリー監督が、6月20日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【写真】主演はハリウッド版『デスノート』のL役

 本作の主人公はカリフォルニア州オークランドで叔父の家のガレージに住んでいた黒人青年カシアス・グリーン(レイキース・スタンフィールド)。コールセンターで働き始めたカシアスは営業の才能を評価されるが、最高経営責任者のスティーブ・リフト(アーミー・ハマー)に会い、予想もしなかった事態に巻き込まれていく。ヒップホップグループ The Coup のブーツ・ライリーがメガホンを取った。

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 主人公の青年カシアスについては、ライリー監督が所属するThe Coupが、2012年にリリースしたアルバム「Sorry To Bother You」でも言及されている。「あの楽曲は、すでに書いた今作の脚本を、映画関係者に気づいてもらうためだったんだよ。つまり、アルバムをサウンドトラックとして今作を作るつもりだったんだ。実際には、6年もかかってようやく公開できたけれどね」とライリー監督。その間に、新たなアルバムを制作したこともあり、今作のサウンドトラックには新作アルバムの方が使用されているそうだ。

 コメディー中心の中に、政治的背景や意味が込められ、頭でっかちな映画になっていない点が魅力の一つである本作。ライリー監督は、映画を含め、アートはその人のスタイルや美的感覚によって、自分の言いたいことを伝えていると語る。「今作には、通常のコメディー映画ではあまり語られない政治的な内容が含まれていて、(上から目線の)高圧的な映画に見えるかもしれない。けれど、僕は(観客が)満足できるような映画を作ることが重要だと思っているんだ。僕自身は、政治的なアート作品はそれほど好きじゃないんだよ」。

 また、「自分のアートとは何か、あるいは(人々に)意味合いを持たせる作品になっているかが気になるんだ。政治的な主張や変化を求めるツイートや演説を、その辺の道端でしているだけでは十分ではないと思う。政治的主張や変化を求めるならば、僕ら自身がまとまって動かなければならないし、アートにはそういった政治的主張や変化を求める(アーティストの)居場所があると思っているよ」と自身の見解を述べた。自分が葛藤したときの頭の中の要素がどのキャラクターにも含まれているという今作には、そういった“アーティストの居場所”が存在しているのだろう。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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