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Netflixとフランスの映像学校が提携、日本でアニメ制作者育成

日替わりで上映された日本がテーマの5つの短編の各ワンシーン。
日替わりで上映された日本がテーマの5つの短編の各ワンシーン。

 フランスで開催された第43回アヌシー国際アニメーション映画祭で、フランスの学生が製作した日本特集にちなんだ短編アニメが話題となった。『ラーメン(原題) / Ramen』と題した作品には、高畑勲監督と宮崎駿監督らしき人物も登場するなど、5作品いずれも日本愛に溢れている。

 作品は、アイドルをテーマにした『トーキョー・アイドルズ(原題) / Tokyo Idols』、もはや日本人の国民食ラーメンがモチーフの『ラーメン(原題)』、東京の街中で怪獣が多数出現して戦っているが慣れっこの国民は無関心というユーモア溢れる『トーキョー・アポカリプス(原題) / Tokyo apocalypse』、70年代カルチャーを盛り込んだ『ア・テイスト・オブ・トーキョー(英題) / A Taste of Tokyo』、そして黒澤明監督『』らしきロケ現場を描いた『戦場(原題) / Senjo』の5本。

NetflixのスタッフとNetflix Animation Fellowshipに選出者
Netflixオリジナルアニメーション バイスプレジデントのメリッサ・コブ(写真:左から2人目)、Netflixコンテンツ・アクイジション ディレクター(日本) ジョン・ダーデリアン(写真:左から3人目)、Netflix Animation Fellowshipに選出されたクレア・マッツさん(写真:右から2人目)。(写真:Netflix提供)

 1本の時間はわずか50秒で、表記されている日本語がちょっと惜しい作品もあるが、いずれも日本文化を的確に表現した逸品たち。公式作品上映の前に日替わりで流されると映画祭参加者の日々のお楽しみとなり、カラオケのように歌詞が表示される『ア・テイスト・オブ・トーキョー(英題)』の上映時には、一緒になって歌い出す人が続出したほど盛り上がった。

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トーキョー・アポカリプス
街中で怪獣がバトルしていても慣れっことなってしまった日本人は無関心!? の『トーキョー・アポカリプス(原題) / Tokyo apocalypse』のワンシーン。

 この短編上映は昨年から始まったもので、制作したのはフランス有数の映像専門学校ゴブラン レコール・ド・リマージュ(以下、ゴブラン)の学生たちで、音楽をフランスの著名作曲家の名前を冠にしたパリ市立ポール・デュカス音楽院の生徒たちが手がけている。アーティストの卵たちの育成と発掘を兼ねたプロジェクトだ。

ア・テイスト・オブ・トーキョー
70年代のカルチャーが満載の『ア・テイスト・オブ・トーキョー(英題) / A Taste of Tokyo』のワンシーン。

 本映画祭では新作アニメの発表の場というだけでなく、若手にチャンスを与えるプログラムやコンテストが多数実施。また今年は会期中、Netflixがゴブランと提携し、2つの若手クリエーターを支援する助成プログラムを発表された。その1つが毎年1名のゴブラン卒業生をNetflix東京オフィスのオリジナルアニメ制作チームに研究生として招く「Netflix Animation Fellowship」で、栄えある第1回の研究生にフランス出身のクレア・マッツさんが選ばれた。

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ラーメン
宮崎駿監督が高畑勲監督にラーメンを作ってる!? 『ラーメン(原題) / Ramen』のワンシーン。

 マッツさんは「幼少期から『カウボーイビバップ』や『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズなどの作品に大きな影響を受けて育ちました。日本は、わたしが大好きなアニメ制作の拠点として長い歴史と豊かな文化を持つ国なので、そこでプロフェッショナルとしての経験を積めることは幸福なことであり、とても楽しみにしています」とコメントしている。

戦場
黒澤明監督『乱』のロケシーンを彷彿とさせる、『戦場(原題) / Senjo』のワンシーン。

 もう1つは今後4年間にわたり、アフリカ大陸在住の学生に対して年間最大10名に奨学金を支給し、ゴブランの大学院プログラムで勉強する機会を創出する「Character Animation Scholarship Program」だ。

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 Netflix オリジナルアニメーション バイスプレジデントのメリッサ・コブは「フランスや日本、アフリカ大陸において若い才能をサポートできることをうれしく思います。ゴブランのような世界的に著名なアカデミーでの学びを支援することで優秀な学生のキャリアや成長に貢献すると共に、業界全体のダイバーシティ促進につながることを期待しています」と語っている。

 大手企業も参加して、文化交流や人材育成を積極的に行っているアニメーション業界。こうした取り組みが作品にどのような影響を与えるのか、注目したい。(取材・文:中山治美)

●アヌシー映画祭公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/annecyfestival

●『トーキョー・アポカリプス(原題) / Tokyo apocalypse』(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=CGrCFUDe1hc

●『ア・テイスト・オブ・トーキョー(英題) / A Taste of Tokyo』(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=AQJNOnlrUhk

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●『ラーメン(原題) / Ramen』(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=o03UBGiZhyM

●『戦場(原題) / Senjo』(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=xLa1DduZwjg

●『トーキョー・アイドルズ(原題) / Tokyo Idols』(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=OHJ9dfYelaM

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