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浅野忠信のパンクな役作りを宮藤官九郎と石井岳龍監督が言及

『パンク侍、斬られて候』が公開中の宮藤官九郎と石井岳龍
『パンク侍、斬られて候』が公開中の宮藤官九郎と石井岳龍

 公開中の映画『パンク侍、斬られて候』のティーチインイベントが15日に都内で行われ、宮藤官九郎(脚本)、石井岳龍監督が出席した。

【動画】『パンク侍、斬られて候』予告編

 本作は芥川賞作家・町田康の同名小説の実写映画化。規格外の能力を持つがいいかげんな侍である主人公・掛十之進(綾野剛)が、自らがまいた種で起こる騒動に翻弄(ほんろう)されるさまが描かれている。

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 イベ ントでは真面目な質問から劇中に出てくるみそ汁の具を問うフランクなものまで飛びかい、約1時間にわたってたっぷりと観客との質疑応答を実施。

 印象的だったキャストのエピソードでは、組織の極悪非道な元幹部で2人の付き人に自分の言葉を代弁させる茶山半郎(浅野忠信)が話題に。宮藤は「ぶっ壊すというテーマがすごくわかってらっしゃる方だと思いました。だからだと思いますけど『俺はしゃべらない』と言い出したり、『パンク侍』じゃなかったらだいぶ迷惑な役者さんですけど『パンク侍』だからそりゃそうだと思いました」と独特のパンクな役作りについて述懐。

 これには石井監督も「話を聞いた時にアイデアとしては面白いなと思ったけど、だから『いいです』とは言えないじゃないですか。浅野君にどうしてもやっとほしいと思ったので(プロデューサーや宮藤に)相談したんですね。それが撮影が始まったらいきなり『違う』とか話し始めて」と振り返った。

 また、石井監督は本作について「わけわからないけど面白い」「わけわからなくて面白くない」という評判が耳に入っていることに触れて、「どこがわけわからなんだろう」と首を傾げると、宮藤は「映画はわけわかるものだと思ったら大間違いですよね。何でわからないと文句をいうのかという感じはありますね」と映画が必ずしも説明的なものではないとコメント。

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 石井監督も「物理的な問題とか表現の限界はあるじゃないですか。予算であるとか、尺であるとか、その中でベストを尽くして最高に面白いものを作っています。わけわからないものを作ろうと思ってないけど(本作では)元々の狙いがこうなので、狙い通りではあるんですね」と破天荒な作品故の意図を語った。

 さらに、互いに監督と脚本を兼任するケースもあることから、どちらか一方を行う場合との違いを問う質問も。これに、宮藤は「自分で撮る時は脚本自体の完成度はあまり求めないかもしれない。途中で変えたり現場で説明すりゃいいというのもあるし。あと、原作があるかないかは頭の使い方が全然違うので、それは大きいです。原作があるとちょっと理性的になるというか」と説明。初期作品では自身も脚本を書いていた石井監督は「自分で脚本も書くと冷静にならない部分があり、演出家としてプランを立ててしまうのがよくないなと。だから、映画の組み立てのこととか、キャラクターや構成についてしっかりと書いてくれる人がいたらその人がいいかなと」と分業したい意図を語った。(取材・文:中村好伸)

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