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山田孝之とカンヌ行けなかった山下敦弘監督、今度は松田龍平とトライ!?

山下監督&松田がウディネに登場!
山下監督&松田がウディネに登場!

 イタリアで開催中の第19回ウディネ・ファーイースト映画祭に参加中の映画『ぼくのおじさん』の主演俳優・松田龍平山下敦弘監督、須藤泰司(企画・脚本)が現地時間27日、トークイベントを行った。先に行われた上映は爆笑に次ぐ爆笑でシリーズ化待望の声が相次ぐ中、松田と山下監督は「いつか一緒にカンヌ国際映画祭へ行こう」とウディネで男の約束を交わしていたことを明かした。

松田たちのもとに海外ファンが集まる…!【他写真】

 北杜夫の同名小説が原作の本作は、小学4年生の“ぼく”が、「自分のまわりにいる大人」をテーマに、居候で自称哲学者のおじさんのユーモラスな日々をつづるハートフルコメディー。本作は昨年11月の日本公開後、中国・上海の日本映画展と北京国際映画祭での上映、さらには台湾公開とじわじわ海外へ広まり、今回がヨーロッパ初上映となった。

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 劇中で松田演じるおじさんと“ぼく”(大西利空)がハワイへ行って珍道中を繰り広げることから、須藤Pは「上映後に、映画関係者から『次の舞台は台湾で! イタリアで!』とお話をいただいたので、欧州で大ヒットすることがあればぜひそうしたい。ウディネでイタリアの美しい女性とおじさんが恋に落ちる話とか」とワールドワイド版“寅さん”のごとく、シリーズ化への野望を明かした。

 すると、松田からは「もし、次にやるとしたらおじさんがもっと大変な事に遭って欲しいし、今回は子供が観られるようにと意識してつくったと思うけど、もっと山下監督の遠慮の無さが見たい。おじさんはどうやってラクしようとか、哲学者なので屁理屈をこねるところが面白いので、もっと大きな出来事や乗り越えなければいけないアクシデントが起きるとか、難題を与えて欲しい」という注文が出た。これには山下監督も「1作目は原作があったので、次からはオリジナルになる。そこからが僕も(企画段階で)参加できるので、いろいろやりたい。まず、大西君が大きくなっちゃうので、成長する前に撮らないと」と意欲をみせていた。

 ちなみに山下監督といえば、カンヌ国際映画祭を目指すフェイクドキュメンタリー「山田孝之のカンヌ映画祭」(テレビ東京系)が話題になった。その過程で製作した『映画 山田孝之3D』(6月16日公開)を同映画祭に“正式応募”したが吉報は届かなかった。対して松田は、出演作『散歩する侵略者』(9月9日公開・黒沢清監督)がある視点部門に選出され、5月17日に開幕する第70回に参加する。奇しくも運命が分かれた2人となり、山下監督は「悔しいです。全然関係ないですけど、松田さんにはこの無念さを晴らしていただきたい(笑)。でもさっき移動の車の中で、松田さんが『いつか一緒に行きましょう』と言ってくれたので、いつか一緒に行きたいです」と松田を見やった。

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 松田も「僕は15歳の時、大島渚監督の『御法度』で右も左も分からないままカンヌへ行ってしまったので、自分の中では特別な思いがあります。こうして役者を続けて、また行きたいという気持ちがありました。15歳の時と、今とどう景色が変化しているのか楽しみです」とカンヌへの思いを明かすと、続けて「山下さんに行きましょうと言いましたけど、僕は役者なので『連れてって下さい』という事なんです」と語り、山下監督に“おねだり”をした。

 残念ながら今年のカンヌ行きは叶わなかった山下監督だが、ウディネ・ファーイート映画祭ではこれまで映画『リンダ リンダ リンダ』(2005)などたびたび作品が上映される人気ぶりで、今年は『ぼくのおじさん』に加え、『オーバー・フェンス』(2016)、『リアリズムの宿』(2003)の3作が上映されるミニ特集が組まれている。山下監督は「3本をお客さんと一緒に観たのですが、旧作を観て自分の青臭さや未熟さを痛感し、自分にとって良い機会だったなと思いました」という。

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トークイベントに参加した小林監督(左)と山下監督(右)

 さらに今年は『リンダ リンダ リンダ』で第2助監督を務めた小林聖太郎監督が『破門 ふたりのヤクビョーガミ』で参加しており、一層、自身の監督人生を見つめ直す時間となったようだ。もっともトークイベントに参加した小林監督は「僕は助監督を10年やって、その後半に『リンダ リンダ リンダ』に携わったのですが、ギャラがびっくりするくらい安かったという悲しい思い出を覚えています。お金で仕事を判断するのはあまりしたくないのですが、この時は初めて断ろうと思ったほどで、プロデューサーに交渉しました」とぶっちゃけ話を展開。

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 山下監督も苦笑いしながら「確かに安かったですね。それまで自主映画のような形で映画をつくっていて、初めてまとまったお金をもらえたと思って月で割ったらバイト代よりも安かった」と同調した。「でも自分以外は全てプロという初めての現場で、正直、助監督の仕事が何なのかも分かっていなかったし、全員、僕より年上だったのですごく緊張しました。しかも完成した映画を観た時に、僕が演出しきれてないところを助監督の皆さんが演出してくれていた事に気づき、すごく驚いた事を覚えてます」と語り、およそ12年の時を経て小林監督に感謝の言葉を述べていた。(取材・文:中山治美)

第19回ウディネ・ファーイースト映画祭は4月29日まで開催

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