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『ファンタビ』ニュートの小屋に日本語の薬がある理由!

日刊予言者新聞のスカート&シャツがかわいい! - 来日したミラフォラ・ミナとエドゥアルド・リマ
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 映画『ハリー・ポッターと賢者の石』から『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』まで、ハリー・ポッター魔法ワールドのグラフィックデザインを一貫して手掛けてきたデザイナーコンビMinaLima(ミナリマ)が来日時にインタビューに応じ、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)のデザインの秘密について明かした。

【画像】ミナリマが手掛けた『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』グラフィックデザイン一挙

 ミラフォラ・ミナエドゥアルド・リマから成るミナリマは、ポスターや新聞、本や商品のカバーなど劇中の“紙”に関するものは何でも、そしてハーマイオニーのタイムターナーやヴォルデモートの分霊箱などもデザインし、ハリー・ポッター魔法ワールドの世界観を作り上げた立役者。ミナが「グラフィックデザインでは、わたしたちはその物の裏側にある歴史全てを表現する責任がある。それはどこから来たのか? 言語は何でどんなシンボルがある? といったことを、たった2秒しか映らないもののために考えるの」と語るように、本シリーズはグラフィックデザインからもいろいろなドラマが読み取れる。

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
日本語が…! - ニュートの薬ラベル

 そうした例の一つが、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で主人公の魔法動物学者ニュート(エディ・レッドメイン)の“魔法のトランク”内の小屋にある小物類だ。魔法動物を飼育するために必要な物でぎっしり埋まった小屋には、サギのような鳥や魚の絵とともに「解毒剤 日本製品」「魚油 天然成分」など日本語のラベルが貼られた薬類も配置されているという。

 ミナは「ニュートは世界中を旅している魔法使いだということを観客に伝える必要があって。彼はイギリスにずっととどまっているようなタイプではないから、わたしたちは彼が過去2年でやったことをビジュアルで示すことにしたのよ」とニュートは日本も訪れていたため、この薬が彼の小屋にあるのだと明かす。「日本語以外にも、世界のいくつかの言葉を載せているわ。そうしたディテールの一つ一つがストーリーを語る手助けとなっていて、それだからこの仕事は面白いの!」と仕事の醍醐味を語った。

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
ニュートの動物世話盤

 その小屋の壁に貼られている“ニュートの動物世話盤”のディテールにも深いこだわりが。「あれは彼が動物たちの世話をいかに真剣にしているかを示したもの。彼はそれ以外のことは何も考えられないの」と笑うミナは、ニュートが執筆した体で出版もされている魔法動物に関する本「幻の動物とその生息地」の要素もこの“世話盤”に採用したといい、「あの本では魔法動物が危険度で分類されていて、その情報をこの“世話盤”にも盛り込んでいる。たぶん2秒も映らないけど、シリーズのファンはそうしたことを深く気に掛けている」とコメント。リマも「ジョー(J・K・ローリング)が書いたものはなるべくその世界に入れ込むようにしているんだ」とうなずいた。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
杖の申請用封筒

 ティナ(キャサリン・ウォーターストン)の米国魔法議会MACUSAのオフィスにある細長い“杖の申請用封筒”をデザインしたのもミナリマだ。フクロウが運ぶ封筒には青系、赤系、黄系のカラーバリエーションがあり、中には入国書類のような申請フォームが入っている。1926年当時のアメリカ魔法界では杖の許可証が必要で、イギリスからやって来たニュートも例外ではなかった。

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ミナ「確か脚本にはティナがニュートに向けて言う『杖の申請をしてないでしょ』みたいな3行程度のセリフだけがあって、わたしたちはそれを見て『杖の申請ってどうやるのかしら? アメリカの魔法省はどんなふうに動いているのかしら?』と考えなくてはいけない。この“一瞬”の裏側にどんなシステムがあるのかを考えるの。オフィスでは申請封筒が山のようになっているわよ」

リマ「そのシーンでは、ティナが“杖の申請用封筒”をちゃんと扱っていないこともわかるはずだ。彼女はもともと闇祓いで、杖の申請は彼女がやりたい仕事ではないからね。だから、封筒はただ積み上げられていて、ちゃんと処理されていないんだ。僕たちはあの封筒で、彼女はこの仕事に身を入れてやっていないってことも示したかったんだよ」

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
“魔法露見脅威レベル”を示す時計

 そしてMACUSAには、“魔法露見脅威レベル”を示す巨大な時計がどこからでも見えるように中央に設置されている。これ自体がノー・マジ(魔力を持たない普通の人間)に魔法が露見することを極端に恐れ、厳格な法を定めているアメリカ魔法界ならではのものだ。ミラは「証券取引所でも真ん中に株価を表示する大きなスクリーンがあって、他のことをしていても取引で何が起きているかわかるようにデザインされている。あれと同じことなの」と説明した。

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 ディテールにこだわる二人だけに、「だからわたしたちは日本に来て、クレイジーになっているの。だって全てが細かいんだもの!」と日本のファンからもらったプレゼントを示しながら瞳を輝かせたミラ。マンホールなどの写真も撮りまくったといい、創作意欲を刺激されたと声を弾ませていた。

 なお、現在ラフォーレミュージアム原宿で開催されているイベント「魔法ワールド in ラフォーレミュージアム」(~12月5日まで)にはMinaLimaのポップアップショップもあり、二人が監修した壁面アートも楽しめる。(編集部・市川遥)

映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は公開中

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