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映画製作者を表彰!是枝裕和監督、映画の始まりと終わりの違いに驚き

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第38回「藤本賞」授賞式より
第38回「藤本賞」授賞式より

 是枝裕和監督が、めざましい活躍をした映画製作者に贈られる「藤本賞」を受賞し、31日に都内で行われた第38回「藤本賞」授賞式に出席。同賞を受賞するに至った経緯を明かした。

【写真】授賞式の様子

 藤本賞は、映画製作に生涯をささげ、『青い山脈』『浮雲』などの傑作をはじめ269作品を製作したプロデューサー・藤本真澄氏の功績をたたえて1981年に設立された。毎年、著しい功績をもたらした映画製作者を中心に表彰が行われる。

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 『万引き家族』で「藤本賞」を受賞した是枝監督は、「最初に連絡をいただいた時は、これはプロデューサーが貰う賞なので監督が貰うのは筋が違うと懸念をする返事を差し上げました」とコメント。しかし、「前例があります。三谷(幸喜)さんも(2005年に『THE有頂天ホテル』で)貰っています」という言葉を受け、「断りようがなくなった」と笑顔で報告。そして、「ありがたく、『万引き家族』チームを代表していただくことに致しました」と感謝を示した。

 同作については、「万引き」「貧困」が題材のため、「当たらなくてもいいかという感じがプロデュースチームにあった」そうで、「公開規模も広げず、製作費もかけない」という提案をのみ、「あまり興行のことを考えずにやりたいことをやってみようというスタートだった」と回顧。ところが、興行収入は46億7,000万円に達し「スタートとゴールがこんなに違ってしまった。本当に映画って不思議な生まれ方と育ち方をする」と驚きを隠せないでいた。

 一方、「藤本賞・奨励賞」を受賞した『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』のプロデューサー・増本淳は是枝監督とは真逆で、「絶対当てようという空気がフジテレビ社内で凄くて、(配給元の)東宝さんも『何億行きますかね?』と最初から聞いてきた」とぶっちゃけ。さらに公開後も「最初40憶と言っていた興行収入の目標が毎週情報修正されて、お腹の痛い日が(続き)、いつになったら解放されるんだろうと思いながらやっていました」と素直な思いを打ち明けた。同作が初の映画プロデュースだったこともあり、「終わってホッとしても、こういう賞をいただくと『2(続編)はいつですか?』『今度は何億行きますかね』という話をされ、今回、映画の怖さを学ばせていただきました」と笑いながら語っていた。

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 『翔んで埼玉』の若松央樹プロデューサーは、「藤本賞・特別賞」を受賞。「(受賞の)電話を受けたときは増本さんと一緒に『コード・ブルー』をやっていたので、増本さんの携帯番号を知りたいという電話だと勘違いしました」と話し、笑いをさらった。“埼玉ディスり”が話題になった映画ながら、「埼玉県の方に嫌われたらおしまいと思って作っていた」と明かすと、埼玉県民の10人に1人が鑑賞し、「全国シェアの4分の1を1県が占めた」とまさかの事態に驚きと感謝を表した。加えて、「企画が通ったこと、GACKTさんが高校生役を引き受けてくれたこと、著名な方々が出演はしていないが写真だけ快く貸していただいたこと、埼玉県知事がキャンペーンでこちらが謝りに行くという表敬訪問に付き合ってくれたこと、興行も大ヒット、極めつけは藤本賞」が「まさかまさかの幸運」と話すと、「こんな映画が素晴らしい賞をいただけるというのは励みになりますし、これから先も更なるバカバカしい映画を作っていくべく精進したいと思います」と力を込めた。

 なお、『カメラを止めるな!』で「藤本賞・新人賞」を受賞した上田慎一郎監督は、この日が新作のクランクアップ日だったために欠席。代理で市橋浩治プロデューサーとキャスト陣が出席した。(取材:錦怜那)

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