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阿部寛、コメディへのこだわり「まだ結婚できない男」変人ぶりの秘密

桑野の奇行は現場で生まれる! 「まだ結婚できない男」第7話より
桑野の奇行は現場で生まれる! 「まだ結婚できない男」第7話より

 カンテレ/フジテレビ系で放送中のドラマ「まだ結婚できない男」の阿部寛が、前作に引き続き脚本を手掛ける尾崎将也と対談。13年ぶりの続編への思いや、コメディへのこだわりを語った。

【比較画像】変わらない!13年前の桑野信介

 腕は一流だが皮肉屋で偏屈な建築家・主人公・桑野信介の独身生活が、女性たちとの出会いを通じて変化していく本作。前作「結婚できない男」から13年経ったが、桑野の偏屈ぶりは相変わらずだ。当初はもう少し桑野を成長させる案もあったというが、阿部の意見もあり、変わらないことに決めたと尾崎は明かす。

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 「阿部さんの意見もあって、変わらない方が面白いんじゃないかと。人生100年時代に、50歳を過ぎた桑野が残りの人生を考えだすのだけど、偏屈度はアップしている。結果的にそのバランスは上手くいったと思います」当初のアイデアのひとつには、桑野が婚活をしている案が出たこともあったが、阿部は「どうしても想像ができなかった」という。「(パート)2は難しいんですよ。皆さんは前作と変わらないまま成長も要求される。今回の桑野を前作ファンがどう受け止めるのか難しさでもあり、楽しみでもあったんですね」

 ドラマを支えた人々の思いも、13年前のままだ。「驚いたのは、セットがそのままなんです。前回で桑野がコンビニで当てた景品なんかもとっておいてくれたりして。それを見たときは、スタッフの愛情を感じました。管理職になっているスタッフの方も帰ってきてくれたりして、力を貸してくれました」と感慨深げな阿部。尾崎も「前回とできるだけ同じスタッフでやるということになって、現場スタッフの平均年齢が高いんですよね」と笑みを浮かべる。

 そんななか、前作よりもパワーアップしているのが桑野の奇行の数々。ただ台本では、あえて桑野の行動を細かく指定していないことも多いという。「何かをプラスしてくださるだろうと思って書いているんです。放送のときに、こうしていただいたんだと。それも楽しみ」という尾崎に、阿部は「コメディの脚本の場合、ギスギスに決められていることもあって窮屈になったりもするのですが、尾崎さんは隙間を作ってくれる。『桑野がいる』と書いてあるだけで何かが起きそうで、それが自由でうれしくて。遊び心があって面白いんですよね」。

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 またそこに、コメディに対する阿部の思いがのぞく場面も。「コメディって難しいのが、こうしたら自分が面白いなと思ったことを早い段階でスタッフと共有すると失敗することが多い。みんなが面白いものをのっけ過ぎると、(笑いの)マックスを超えてしまうと。だから本当に申し訳ないのですが、現場に入ってからパッと思いついて用意していただくことが多い。ちょっとゆるいところでやるのが一番リアル。だから尾崎さんの脚本は大好きなんです」

 だが、そんな阿部でも撮影中に躊躇することも。第6話で桑野と薬丸(デビッド伊東)がサウナで対決するシーンを振り返った阿部は「最初はやる勇気がなくてお断りしようかと思ったんですよ」と苦笑する。「でもやってみたら正解だった。最終的に尾崎さんの脚本でやる方がいいっていうパターンがいっぱいあって。あれは強烈でしたね。演ずるほうは台本を読んで自分がやりやすい形に考えるんだけども、むしろやりづらいところでやって、無理して頑張っている方が滲み出てくるものがプラスされて面白いんだなと。勉強になりました」。

 今回は全12話だった前回よりも短い10話。後半に向けて、まどか(吉田羊)をはじめとする女性たちとの関係など、桑野を取り巻く人間ドラマも佳境を迎えることになり、阿部はその出来栄えに自信をのぞかせる。「どうなるのか、これは視聴者の皆さんも楽しみにして下さってますが、きっと喜んで頂ける結末だと思います」(編集部・入倉功一)

ドラマ「まだ結婚できない男」は毎週火曜・午後9時放送 19日は午後9時30分放送

お詫びと訂正:初出時のキャスト名に誤りがありました。お詫びして訂正致します

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