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若手名バイプレイヤー・前原滉、初主演映画で学んだ余白の大切さ

『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』の池田暁監督、前原滉、橋本マナミ
『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』の池田暁監督、前原滉、橋本マナミ

 ドラマ「俺の家の話」や「直ちゃんは小学三年生」への出演で注目を浴びる俳優の前原滉が27日、テアトル新宿で行われた映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』の公開記念舞台あいさつに出席。初主演映画の公開を迎え、何度も感謝の言葉を口にしていた。舞台あいさつには共演者の橋本マナミ池田暁監督も参加した。

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』予告編

 本作は、第21回東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞した、いつの時代でもない、架空の町を舞台にした人間物語。朝9時から夕方5時まで、町境にある一本の川を挟んで規則正しく戦争をしている二つの町を背景に、一方の町で真面目に暮らしていた兵隊・露木(前原)が、ある日突然、音楽隊への人事異動を言い渡される。

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 映画『あゝ、荒野』における自殺研究会のリーダー・川崎敬三や、連続テレビ小説「まんぷく」の塩軍団の一人・小松原など、個性的なキャラクターで作品を彩ってきた前原。しかし、本作で演じた露木は、どこか感情の読めない人物で、からくり人形のような芝居を池田監督から求められたという。

 これまで「どちらかというと陽気な人間や、悪い奴を演じることが多かった」とキャリアを振り返った前原は「気持ちを表に出すお芝居の方が、より伝わるのかなと思っていたのです。でも今回、感情を抑えるお芝居をして、それをスクリーンで観たとき、いろいろな余白が想像力を掻き立てるんだなと感じました」と新たな発見があったという。さらに、露木の上司・伊達を演じたきたろうが、シーンごとに挑戦的な芝居をするのを見たことで、「俳優歴が長い方々も、ワンシーンごとに戦っている姿を拝見し、すごく影響を受けました」と真摯(しんし)に芝居に向き合う先輩たちに、大きな影響を受けたという。

「俺の家の話」などでも味のある役どころを務めた前原

 そんな前原は、本作が映画初主演。「こういう状況で無事映画が公開されたことは奇跡だと思う」としみじみ語ると、客席に向かって何度も「本当にありがとうございました」と感謝を述べる。しかし一方で「初めて主演をさせていただいた映画なのですが、どうしても『きまじめ楽隊』というタイトルを『きまぐれ楽隊』って言ってしまうことがあって……」とカミングアウト。映画の撮影中はタイトルが違っていたとことも理由としつつ「大好きな映画で、しかも初主演作なのに……本当にダメだなって反省しているんです」とタイトル通り“きまじめ”に語っていた。(磯部正和)

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』はテアトル新宿ほか全国順次公開

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