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森山未來、2度目の男優主演賞!ボクシングは「あまりにも過酷な世界」

森山未來
森山未來

 「第75回毎日映画コンクール」の表彰式が17日、都内めぐろパーシモンホールで行われ、映画『アンダードッグ』で2度目の男優主演賞を獲得した森山未來がスピーチを行った。本作が自分の力ではどうにもできない境遇に陥りながらも立ち上がっていく主人公を描く物語であることを踏まえ、「どうしても大変な時期を過ごされている方もいると思います。僕はその煽りを受けていないというわけではないのですが、そういう方の後押しになる映画になればいいなと思いました」とコロナ禍で公開された本作に込めた思いを語った。

森山未來主演『アンダードッグ』予告編

 同作は、『百円の恋』の武正晴監督と足立紳脚本コンビが6年ぶりにボクシングを題材に、人生を懸けた試合に挑む三者三様のボクサーを描くドラマ。森山未來、北村匠海勝地涼が過酷なトレーニングを経てボクサーを熱演し、スターダムに駆け上がっていく選手たちの陰で“かませ犬”として踏み台にされる主人公にふんした森山が男優主演賞に輝いたほか、日本映画優秀賞、男優主演賞、撮影賞、録音賞の4冠を獲得。最多受賞作品となった。

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 同賞において『モテキ』(2011)以来、約9年ぶりに男優主演賞を獲得した森山は、授賞式に参加している水川あさみや、宇野祥平らが『アンダードッグ』に出演していることに触れると、「余談ですが、宇野さんは僕が勤めているサウナの店員役という設定だったんですけど、その撮影が終わった後に、『今度試合のシーン、良かったら来てくださいよ』と宇野さんに言ったら、本当に最後の試合のシーンに急きょふらっとやってきて観てくれて。気がついたら僕の父親役の柄本明さんも普通に応援に来てくださって。多分そのおかげでこの賞がいただけているんじゃないかなと思います」と感謝。

 撮影は昨年の1月から2月にかけて行われ、11月末に公開。「まだコロナは終わったわけではないですが、ちょうど運よくコロナの(一番よくない)時期をよけて公開にこぎつける形になりました」と切り出した森山は、「ボクシングという世界は、知れば知るほど、技術や若さや気力といったものが必要となってきますが、それだけでは片付けられない。試合のある一つのパンチで命運が分かれてしまうという、あまりにも過酷な世界だなというのを痛感しました」と撮影を振り返った。

 「自分も一つ底上げされたかなと思いますし、どんどん複雑さを増している世の中になっている気もしますが、その中でもシンプルに立って。柔軟に、流動的に、表現の世界を謳歌(おうか)していけたらいいなと思っています」と今後に思いを馳せる森山。本作では、先ごろ発表された「第94回キネマ旬報ベスト・テン」でも2度目の主演男優賞を受賞している。

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 1946年に創設された「第75回毎日映画コンクール」は、日本映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的とする映画賞。対象作品は2020年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)となり、第一線で活躍するジャーナリスト、専門家など約80名が選考にかかわって受賞作を選出した。(取材・文:壬生智裕)

主題歌は石崎ひゅーい!森山未來主演『アンダードッグ』胸アツの予告編 » 動画の詳細
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