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『約束のネバーランド』板垣李光人、実写ノーマンへの徹底的こだわり

『約束のネバーランド』ノーマン役・板垣李光人
『約束のネバーランド』ノーマン役・板垣李光人

 特撮ドラマ「仮面ライダージオウ」への出演などで注目される俳優の板垣李光人。俳優の安藤政信市原隼人三浦貴大が撮り下ろした写真集「Rihito 18」での神秘的な佇まいも大きな話題になったが、そんな彼が大人気コミックを実写映画化した『約束のネバーランド』で、メインキャストとなるノーマン役に挑んだ。冷静沈着で天才、美しいビジュアルと非常に難易度の高い役に、どうアプローチしたのだろうか。

美しすぎる少年と話題!板垣李光人インタビュー【動画】

 原作は週刊少年ジャンプで連載され、全世界での累計発行部数は2,500万部を誇る人気コミックで、テレビアニメ化もされている話題作。「施設で幸せに育てられていた子供たちは、実は鬼の食糧だった」というセンセーショナルな世界観の本作で、板垣は子供たちの精神的支柱となるノーマンを演じる。

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 オーディションで勝ち取った役柄。合格の知らせを聞いたときは「嬉しかった」というが、同時に作品の持つ西洋的で幻想的な世界で生きるノーマンというキャラクターを、違和感なく生身の人間として表現できるのか……という不安が心によぎったという。

約束のネバーランド

 特にビジュアルについては「コスプレ感が出てしまったらダメ」とかなり意識をした。「白髪はもちろんですが、目の色もカラーコンタクトを何種類も用意していただき、自分の視点と、平川(雄一朗)監督を含めた第三者の意見を聞き、じっくりと相談させていただきました」と徹底的にこだわり抜いた。

 また人気コミックの実写化、しかも公開規模もこれまで板垣が経験したことのないような大きさだったため、撮影前から意識せずとも、自然にプレッシャーを感じていたという。 

 しかし、一つ一つ丁寧に役柄と向き合っていくことで、当初感じていた不安は少しずつ消えていったという板垣。撮影に入ると、制作現場のクオリティーに感嘆した。「例えば部屋のなかにある歯ブラシや寝室の棚一つにまで、すごくこだわりが感じられ、スタッフさんたちの作品愛を強く実感しました。そんな環境でお芝居をさせていただくことで、スッとノーマンになることができ、変なプレッシャーは感じることなく撮影に臨めました」。

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 劇中では、共に施設からの脱出を試みる中心人物となる浜辺美波演じるエマと、城桧吏ふんするレイとのシーンが多い。特に浜辺とは感情をぶつけ合うシーンも見受けられる。「浜辺さんのお芝居を受けるシーンがあったのですが、原作や台本を読んだときは、ノーマンはそこまで感情的にならないと感じていたのですが、実際お芝居が始まると、エマの大きな悲しみの波がすごく、涙が出そうになってしまいました。ものすごい圧というか力を感じました」と浜辺の芝居に圧倒されたという。

 そんな浜辺からは「中性的で周りにはいないタイプ」という印象を持たれていたようだが「自分でもなかなか珍しいタイプの人間なのかなと思います」と自覚している様子。

 その言葉通り、Instagramなどでも、個性的な自己表現が数多く見受けられる。「僕は絵を描いたりするのが好きで、本やグッズを作っていつかイベントで販売したいです」と語ると、将来的には俳優業だけではなく、いろいろな手段で“表現”することにこだわっていきたいという。「メイクやファッションでの表現も勉強したい。いま一生懸命歩いている役者という道から、いろいろ寄り道して、自分を届けていけたらいいなと思っています」と未来に思いを馳せる。

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 俳優として本作を通じて得たことを聞くと「人を突き詰めていくこと」と語った板垣。平川監督からは、台本に書かれていることのさらに奥にある人間の根底を探ることの大切さを学んだ。「役づくりの仕方は今後の作品にいかせると思います」と目を輝かせる。

 作品の魅力について「いまって生きることをすごく考えさせられる時期だと思うんです」と述べると「死に向き合い、生きることに奮闘するエマやレイ、ノーマンの姿を見て、勇気を感じていただけると嬉しいです」と作品に込めた熱いメッセージを語った。(取材・文・撮影:磯部正和)

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