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『レディ・プレイヤー1』まで!スピルバーグのSF映画が鉄板なワケ

『レディ・プレイヤー1』
『レディ・プレイヤー1』 - (C)Warner Bros./Photofest / ゲッティ イメージズ

 映画界の巨匠スティーヴン・スピルバーグは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『トランスフォーマー』などをプロデュースしてきたSF映画の先駆者として知られる。ただし30本以上ある監督作でSFにカテゴライズできるのは9本。その最新型である『レディ・プレイヤー1』が本日、日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」枠で地上波初放送されるタイミングに、SF監督としてのスピルバーグを振り返ってみた。(村山章)

【動画】『レディ・プレイヤー1』ハリウッドとガンダムの夢のコラボ

『未知との遭遇』(1977)

未知との遭遇
(C)Columbia Pictures/Photofest/ゲッティイメージズ

 盟友ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』と同じ1977年に公開された、スピルバーグ初のSF長編。人類と地球外生命体の接近遭遇を、“宇宙からの侵略”や“社会的パニック”とは違う視点から描いており、未知のものへの憧れや希望を前面に打ち出したロマンチシズムが斬新だった。

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 ただ、友好的な宇宙人には見えるものの、全貌を明かさない演出なので、実は地球人を拉致しに来たと解釈するとちょっと怖い。また「家族よりも宇宙人に遭いたい!」な主人公が賛否を呼びそうなキャラであり、スピルバーグが本来持っている“社会からの逸脱”という作家性が顕著に現れたパターン。

『E.T.』(1982)

E.T.
(C)Universal Pictures Photographers: Terry Chostner/Bruce McBroom

 スピルバーグの代名詞と言える、公開時に映画史上最大のヒットを記録したヒューマンSF。地球に調査にやってきて取り残されてしまった宇宙人E.T.と、E.T.を守ろうとする少年エリオットの友情の物語だ。

 『未知との遭遇』からさらに一歩進んだ、“親友になれるキモカワ宇宙人”というコンセプトが絶妙で、見た目は結構グロいのに可愛く見えてしまうのはまさにスピルバーグ・マジック! 母子家庭に育ったスピルバーグの少年時代が色濃く反映されたとてもパーソナルな作品でもある。本筋とはズレるが、撮影時6歳だったドリュー・バリモアの可愛さも必見。

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『ジュラシック・パーク』(1993)『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)

ロストワールド
(C)Universal Pictures Photographers: Terry Chostner/Bruce McBroom

 当時の最新鋭の映像技術を駆使して、現代に恐竜を蘇らせた大ヒットしたパニックスリラー。遺伝子操作によって恐竜が復活するという基本コンセプトを除けばあまりSF色は感じず、恐竜たちの生命力を目の当たりにして“動物映画”のカテゴリーに入れてしまいそうになる。しかし科学をベースにして“普通ではありえないこと”に説得力を持たせてしまうのは、SF映画の達人スピルバーグならではだろう。続編の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(写真)では、恐竜たちが南海の孤島を飛び出し、恐竜たちがアメリカ本土に上陸して大暴れ。よりパニックスリラー感が増している。

『A.I.』(2001)

A.I.
(C)Warner Bros. Pictures/Photofest

 スピルバーグが敬愛する天才監督スタンリー・キューブリックが、生前に実現させることができなかった企画を引き継いだ、子供型ロボットの流転の運命を描いた近未来SF。スピルバーグ本人は、キューブリックのビジョンに忠実であることを心がけたと発言しており、諸行無常な哲学テイストは従来のスピルバーグのイメージとは趣を異にしている。

 一方で、キューブリックの冷徹な視線よりもシンパシーや温かみが感じられるのはスピルバーグの個性だろうかと推理しながら観るのも面白い。きらびやかで騒がしい未来世界のビジュアルは『レディ・プレイヤー1』の原型を観るようでもある。

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『マイノリティ・リポート』(2002)

マイノリティ・リポート
(C)Twentieth Century Fox/Photofest/ゲッティイメージズ

 スピルバーグがトム・クルーズと組んだ、近未来アクションミステリー。予知能力者を使って犯罪を未然に防ぐことが可能になった未来世界を舞台に、潜在的殺人犯として追われることになった刑事が汚名を晴らそうと奮闘する。

 スピルバーグのエンタメ精神と演出力で一気呵成に魅せる一級品のジャンル映画で、ここまで王道でバランスのいい作品は、実は枠からハミ出すことの多いスピルバーグには珍しい。専門家や識者を集めて、「2054年には実現するであろう技術」を見当したという未来の描写がどれだけ的中しているのか、2054年になった暁にはぜひ観直してみたい。

『宇宙戦争』(2005)

宇宙戦争
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 『マイノリティ・リポート』に続いてトム・クルーズとタッグを組んで、SF小説の大家H・G・ウェルズの代表作を映画化。地球侵略を狙う宇宙人と巨大メカがとにかく攻撃的で、初期のヒューマン要素のあるSF映画とはまったくノリが違う。『JAWS/ジョーズ』(1975)や『ロスト・ワールド』にも繋がるホラー要素が満載で、人間が白い灰になって消えていく様は911同時多発テロを彷彿とさせた。

 何度も世界を救ってきた男、トム・クルーズが主演でありながら、人間側をとことん無力に描いた終末感も大きな特徴だが、日本の怪獣映画を愛するスピルバーグが「大阪では(巨大メカを)何体か倒したらしい」というセリフを忍ばせているのも面白い。

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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
(C)Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 「インディ・ジョーンズ」がSF? と疑問を持つ人もいるでしょう。同シリーズはハリソン・フォード演じる考古学者のインディアナ・ジョーンズ博士が秘宝を求めて世界を飛び回るアドベンチャー活劇なのだから。とはいえ秘宝にはいろんな謎があって、オカルトっぽかったりファンタジーっぽかったり、作品によってテイストは異なるのだが、一番SFに接近したのが第4作目となった『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』。スピルバーグの過去作では特に『未知との遭遇』を思わせる展開は賛否両論となったが、改めてSF映画という視点で観てみると印象が大きく変わるかも?

『レディ・プレイヤー1』(2018)

 さて、現在のところスピルバーグSFの最新作が、人類がバーチャルゲームに夢中になる近未来を描いた本作。スピルバーグは1970年代からの筋金入りのゲーム好きであり、『ジョーズ』や『E.T.』にもビデオゲームに目配せをした描写がある。撮影時のスピルバーグは69歳だが、新しいものへの旺盛な好奇心が感じ取れるおもちゃ箱のような世界観が楽しい。

 また“ゲームの中の世界”という設定を活かして、古今のSF映画や「機動戦士ガンダム」「AKIRA」といった日本のSF漫画・アニメの引用がこれでもかと盛り込まれているので、細かいネタを発見するだけでも大仕事! SFではないが前述のキューブリック監督の伝説的ホラー『シャイニング』をゲーム世界の中で再現したシーンは、オタクとしてのこだわりと矜持があふれていてたまらない。

 以上、駆け足で振り返ってみたが、ヒューマン系、絶望系、哲学系などなどテイストはバラエティーに富んでいて「SF映画」とひと口には括れない。ひとつのところに留まらないチャレンジ精神と遊び心があるからこそ、スピルバーグは「SF映画の巨匠」の名にふさわしいのではないだろうか。

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