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松重豊、初主演映画の脚本は「棺桶に入れてもらう」

名バイプレイヤーとして知られる松重豊が映画初主演
名バイプレイヤーとして知られる松重豊が映画初主演

 俳優の松重豊が5日、都内で行われた初主演映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の公開記念舞台あいさつに出席、これまでクランクアップすると脚本を破っていたというが、「この作品の脚本は棺桶に入れてもらおうと思っている」と自身にとっても感慨深い作品になったことを明かした。舞台あいさつには北川景子濱田岳山中崇伊東四朗細川徹監督も登壇した。

年の差夫婦役の松重豊&北川景子【写真】

 本作は、「凶気の桜」などの作家ヒキタクニオの自叙伝的エッセイが原作。49歳の人気作家ヒキタ(松重)と、一回り以上年の離れた妻・サチ(北川)の妊活を描く。

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 松重といえば、これまで130本以上の映画に出演してきており、名バイプレイヤーとして日本映画界には欠かせない俳優だが、意外にも映画は初主演。この日のイベントでは、本作のプロモーション活動も目一杯行ったことを振り返ると、「これまで百何十本という映画に出演してきましたが、クランクアップの日に脚本を破り捨てているんです」とルーティンを告白した。

 その理由を「嫌だからというより、どこかで流出してネットと古本屋で売られてしまうとよくないので」と説明した松重だったが、「でもこの作品は、たくさん宣伝活動をして、脚本をずっとカバンのなかに入れていたので、愛着がわいてしまった。棺桶に入れてもらおうかなと思っています」としみじみ語っていた。

 また劇中、サチの「ヒキタさんの子どもに会いたい」という一言を機にヒキタが妊活を始めることから、登壇者が忘れられない一言を明かす一幕も。松重は、本作で北川との年齢差を気にして「本当に夫婦に見えるのか」が非常に不安だったとき、北川から「そんなに年離れていましたっけ?」と言われたことで救われたと発言。

 北川は「わたしは19歳のとき(『間宮兄弟』という映画で一緒だった)森田芳光監督からクランクアップのときに『女優を辞めないでくださいね』と言われたことが印象に残っています。若いころは『辞めないよ!』と思っていたのですが、その後壁にぶつかるたびに、森田監督の言葉を思い出しています」と語った。

 初主演映画の公開に、松重は「これまで興行成績とか動員とか意識せずにこの世界にいたのですが、いまは三谷幸喜(の映画『記憶にございません!』)が目の上のたんこぶです」と、学生時代から舞台を一緒していた盟友を名指しすると「男性の妊活と入り口は取っつきにくいかもしれませんが、奥行きのある作品。老若男女問わず観られると思います」と力強く作品をアピールしていた。(磯部正和)

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